省エネ住宅の基準について

私たちは生活している中で 電気・ガス・石油等エネルギーをたくさん使用しています。
現在使用しているエネルギーの多くが限りがある資源で、その資源を私たちが使用している2次エネルギーに変換する際に多くの二酸化炭素を排出しています。二酸化炭素は地球温暖化の原因の一部となっている温室効果ガスの一つで、このままではダメだと世界中で「脱炭素をしよう‼」と各国が目標等を定めたものが パリ協定となります。

2015年 世界共通の長期目標として、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力すること。日本では「温室効果ガス排出量を2013年比で2030年までに26%、2050年までに80%削減する」と目標に掲げています。(5年毎に再提出・更新)

2020年10月には 「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。

(地球上で生み出されるCO2(二酸化炭素)の量と、植物の光合成などによる二酸化炭素の吸収量を同じ量にして、実質的なCO2(二酸化炭素)排出量の「プラスマイナスゼロ」を目指す事。)

脱炭素を目指すため建築では、住宅・建築物の省エネルギーの基準(「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法※))を設け、すべての新築住宅で基準を満たす事を目指しています。

※昭和55年に制定され、平成4年・平成11年に改正されて順次強化され平成25年に大きく改正されました。現在は平成28年に改正された省エネ基準で評価されています。

建築物省エネ法における住宅の省エネ性能の評価の内容ですが、下記の3点で評価されます。

外皮の性能

  1. UA 外皮平均熱貫流率
  2. ηAC 冷房時の平均日射熱取得率

エネルギーの消費量

3.一次エネルギー消費量

まず外皮の性能ですが
外皮とは 住宅の室内と室外を隔てている部位の事で、外壁、屋根、天井、床、基礎、窓等の開口部を指します。
外皮性能とは 外皮の断熱性能を計算し 数値で表したものです。
外皮の性能は 以下の2つの計算結果から求められます

UA値(外皮平均熱貫流率)=総熱損失量÷外皮総面積

家の中から外にどれだけの熱が逃げているのかを 家の外部に面している部分(外皮)の面積で割ったものです。
数値が小さいほど 家の中の熱が外に逃げないという事です。

ηAC値(冷房時平均日射取得率)=日射所得の合計÷外皮総面積

家の外から中に入ってくる日射の量を 家の外部に面している部分(外皮)の面積で割ったものです。
数値が小さいほど室内に入ってくる日射量が少ないという事です。

性能のよい断熱材を使用したり熱貫流率(熱の伝わりやすさ)が低いサッシを採用したりすることで外皮性能がよくなり、常に全部屋の室温を均一に保つ事ができます。(家の中の熱が逃げにくく、外の温度に影響されにくい)

上記の2つの結果がそれぞれ 地域によって定められた基準値より小さい事が求められています。(1~8地域)

(住宅性能表示制度における評価 「等級4」(平成25年基準)、「等級3」(平成4年基準)、「等級2」(昭和55年基準)、「等級1」(その他))

正南建設がある 大阪は一部を除いて6地域になります

もう一つの基準 エネルギーの消費量ですが
まず一次エネルギーとは 自然から得られる(石油、石炭等の(限りのある)資源エネルギー・太陽光、水力、風力等の再生可能エネルギー)エネルギーの事です。
普段家庭で使用している電気、都市ガス、ガソリン等 一次エネルギーを変換・加工したものを 二次エネルギーと言います。
建築物ではその二次エネルギーを使用していますが それを一次エネルギーに換算して消費量を表して評価します。

具体的に言うと 住宅内で使用する機器を、暖冷房設備・換気設備・照明設備・給湯設備・家電等の分類に分け消費量を合計し(太陽光発電システム等再生可能エネルギーがあれば 合計消費量からマイナス出来る)設計一次エネルギー消費量を求めます。それに対し 平成22、23年度に調査して標準的な仕様を出し消費量を計算したものを基準一次エネルギーといいます。
その 「設計一次エネルギー消費量≦基準一次エネルギー消費量」 で基準を満たすことになります

(住宅性能表示制度における評価「等級5」(低炭素建築物認定基準)、「等級4」(平成25年基準)、「等級1」(その他)等級5は一次消費エネルギーを基準より10%削減)
計算は国立研究開発法人建築研究所がホームページ上で公開しているプログラムで計算する事ができます

上記3つの基準を満たした住宅が 建築物省エネ法適合住宅となります。

上記の省エネ基準は あくまで最低限のレベルであり、建物を新築する場合には基準を満たす事が義務化される予定です。(現行の建築物省エネ法(H28年基準)ですが 本来は2020年に義務化の予定でしたが見送られました。)

こらからは省エネ基準に比べ、より高断熱で消費エネルギー量がすくない+創エネルギーシステムを採用する住宅が主流となると考えられます。
そこで今後目指していく住宅は より厳しい ZEH(ゼッチ)HEAT(ヒート)20(G1・G2)が基準となります。UA値の基準は下のようになり
H28年省エネ基準→ZEH→HEAT20 G1→HEAT20 G2→HEAT20 G3
の順に厳しい基準となっています。

(UA値の基準だけでなく 消費エネルギー量もそれぞれH28年基準より高い削減が必要となります)

現在 政府がすべての新築住宅で標準化を目指しているのが「ZEH住宅」です
まず ZEH住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは

 一次エネルギ消費 ― 省エネ+創エネ ≦ 0

住宅で使用するエネルギーを 太陽光等で創ったエネルギーで 自給自足する住宅のことです。

次に HEAT20とは「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の呼称で、G1~G3があり G1では 冬の間 最低体感温度が10度と下回らない性能とされています。
G2はより高い水準で 上記体感温度が 13度を下回らない性能とされています。
G3は日本での最高のグレードとなっており 世界基準に近い数値となっており 概ね15度を下回らない性能とされています。
G3で世界基準に近い数値となり 先進国の中でも日本の基準は最低のレベルとなっています。(諸外国では 上記で説明した省エネ法基準の家は 健康に害があるとされ違法な建築物となっています。)

(WHO(世界保健機関)が発表しているガイドラインで、温暖または寒冷気候の国々では、寒い季節における居住者の健康を守るためには、室温は18℃以上」が基準になると表しています。)

省エネ住宅を建てる事は 昔の一般的な住宅に比べ 光熱費が抑えられ 夏は涼しく、冬は暖かく快適に過ごす事ができ 室内温度差が少なければ ヒートショックの予防や 結露が起こりにくくなります。(ヒートショックとは、暖かい室内から寒い廊下やトイレに移動したり 急激な温度変化によって血圧が大きく変動することで起きる健康被害です。年間でヒートショックが原因で亡くなっている人は交通事故死者数より多いと言われています。)

しかし基準に適合するために 断熱材を多くしたり 高性能サッシを採用しないといけないので 初期費用(イニシャルコスト)は高くなります。その分使用する消費電力が減り、年間の光熱費が減少する事でランニングコストが抑えられるので トータルでのコストを考えてどの基準を目指すのか検討するとよいでしょう。

世界中で脱炭素を目指しており 日本の建築では省エネ住宅を標準化しようという動きなので 省エネ住宅を建てる事で利用出来る さまざまな補助金や特典があります。

次回は補助金等について少し紹介したいと思います。

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